第1話

俺は永磨

俺は永磨
この「いろどり茶屋」の店員だ

少し郊外の山越え手前にある街嶺真寿の茶屋で
旅路の分岐点くらいに位置しているため
それなりに賑わっている

店長の「穂世」
かなり能天気でのほほんとしたオジサンだが、
いつの間にか仕事が片付いてるのがすげぇ

副店長の「麗蘭」
超しっかり者で実質裏番長のアネゴ
怖ぇっす
関わらないようにうまいこと
逃げるのがオススメ

あの娘は「悠里」
天然
猫っぽい
わかんにゃ〜いとかよく言う
はっきり言ってどストライク

他にいもっぽい「芋三」
おでんっぽい「伝子」
コギャルの「揚羽」
バラエティ担当の「薔薇絵」
そして俺永磨
8人体制でうまいことやっている

悠里「永磨さん。あの上の袋取ってよー。
   届かにゃーい」
永磨「はい、どうぞ〜」

・・・可愛い

芋三「永磨さん。12番テーブル片付けです」
永磨「芋っち!びっくりするなもう。
   いたのかよ。へ〜い」

麗蘭「永磨!お会計!」
永磨「へ〜い」

そんな平和で少し慌ただしい日常が
表の姿だ              1-1

本業は鍵士だ
茶屋は情報収集のためではあるが
なかなか居心地は良い

鍵士と言ってもただの鍵士ではなくて
魔力を宿した鍵士だ

生活費は基本鍵士メインに稼いでいる
鍵を開ける仕事がほとんどだが
魔力で簡単に開けれてしまうのさ

魔力が使えるのはバレないほうが良いみたいで
一応普通の鍵士っぽく作業するふりはしている

実際のところは魔力を使うと
鍵1個につき謎解きが1つ頭の中で出される
これを解くと鍵が開く仕組みだ

永磨「こちらの金庫ですね?」
依頼者「そうだ。早く開けてくれ(金金ー)」
永磨「お任せください」

ここで、この懐の金の鍵を握って
念じると                                        1-2

・・・問題
次の○を埋めよ

ふとんがふっとん○

こんなしょーもない鍵が大半

薔薇絵のネタっぽい
マジでしょーもないやつだな。
しかも何故その意味不明な虫食い

ふとんがふっとん・だ!

ガチャッ

永磨「開きました」
依頼者「でかした!中身はなんだ?(金金ー)」
永磨「また扉と鍵ですね。開けますか?」
依頼者「やってくれ!(金金ー)」

・・・問題
次の○を埋めよ

パン○

自主規制かよ
・・・2択だよなぁ。ツかダか
多分1個目から考えるとダ縛りなんだろうけど、
言いたくなっちゃうよなぁ

パン・◯!(悠里ちゃんの)

スコーン!
永磨「痛って!」
依頼者「どうした?」
永磨「いえ、指をぶつけただけで。
   問題ないです」

外すと、誰にも見えないタライが
降ってくるんだよ
これがかなり痛い
幻影のくせに

外したか。やられたな。
ついつい乗っちまった。
まぁタライは1個で許してくれたし、
やっぱあっちだよな                          1-3

落ちてくるタライは
大外れだと2個降ってくる
これで1回分魔力使用だ

何回でもやり直せるが1回あたり
腕立て伏せ30回分くらいの
負荷を体が喰らうから
地味に疲れるんだよな
タライがマジ痛ぇし

改めて。パン・ダ!

ガチャッ

永磨「開きました」
依頼者「でかした!中身はなんだ?(金金ー)」
永磨「今度はタンスと引き出しですね。
   引き出しに鍵が」
依頼者「やってくれ!(金金ー)」

・・・問題
次の○を埋めよ

1・2・3・○〜!

あー。ね。それをしたかったのね。はいはい
元気があれば何でもできるとね

1・2・3・・4〜!

ガチャッ

永磨「開きました」
依頼者「でかした!中身はなんだ?(金金ー)」
永磨「空ですね」
依頼者「トホホ〜(金〜)まあスッキリしたよ。
    ありがとう。どうした?大丈夫か?」
永磨「すみません。神経を使うもので。
   もし、よければですが
   お湯を少々お借りして良いですか?」
依頼者「あぁ、いいが?何に使うんだ?」
永磨「これ、携帯型足湯なんですよ。
   今日の入浴剤の気分は
   ・・・これだな!闘魂注入スペシャル」
依頼者「どこで仕入れたんだよそんな入浴剤」

2023/9/12