第13話(最終話)

愚かな人間滅びてしまえ

民「助けてくれぇ!魔物が追ってきている!」

魔物だと!?
あれか
まだ遠いが確かに何か来ている

モエーモエー
民「魔獣モエモエだ。
  火がつくとどこまでも追っかけてくるぞ」

永磨「おい!この辺り人間は何人いる?
   助かりたいやつは俺についてこい」
民「5人です!」
 「おぉい魔物だ!みんな走れぇ」

永磨「あの扉がついてる
   洞窟みたいなやつはなんだ?」
民「鉱山です。
  入口の扉は鍵がついていませんので、
  あそこに逃げても・・・」
永磨「問題ない。あそこに行くぞ」

  「5人全員いるな?よし・・・扉クローズ」

民「鍵がかかった?あんた何者?」
永磨「名乗る程の者じゃないさ
  (言ってみたかったんだこれ)」

  「それよりこの鉱山は
   出入り口は他にあるか?」
民「反対側にありますが鍵がかかっています」
永磨「問題ない。そこから出よう」
                 13-1

・・・ガチャッ

民「??鍵が開いた?」

・・・
村だ。なかなか秘境な感じで居心地が良さそうだ
村人が出迎えに来たようだ
すごくニコニコしている

村長「あなたが村人を助けてくれたんですね?
   ささ、どうぞ今日はお泊りください」

・・・何だ?変な雰囲気だ

怪しい。つけてみよう
扉オープン

村人「あの旅人、
   多分魔法で扉開閉してました」
村長「そうか。役人に引き渡したら
   懸賞金がもらえるな」

こいつら、そういうことか
仮にも命の恩人だろう
この間の旅人を生贄にして
自分たちだけ生き残ろうとする
奴らもいたけど
なかなか肝が座ってやがる

たが好機だ
捕まって連れて行かれるのも西か
なら敢えて捕まって・・・      13-2

村人「役人様!あやつが異端者です。
   どうぞ連れて行ってください!」

クズどもめ
人間なんてやはりそんなものか

・・・
そろそろいい頃合いだな
かなり進んだはずだ
やるか

・・・開錠
ふっ。ちょろい

役人「何!?異端者が逃げたぞ!
   追え!追え!」

・・・
ここまで来ればもう大丈夫だろう
けっこうショートカットできたか?
どの辺だ?

老人「おぬし、顔色がすぐれんのう。
   どれちょっと見てやろうか」
永磨「はっ?俺は別に・・・」
老人「フム。元気じゃな。
   では診察費としてこれ全部頂くぞい」

!!?
しまった!ふいを打たれた
金、全部取られた!

永磨「てめ!ふざけん・・・」

ガサガサガサ

・・・ちくしょー
人間どもめ
どいつもこいつも

子供「わーんわーん
   おうちの鍵無くして入れないよー」
                  13-3

・・・
くっそ

永磨「うるせーな!ガキンチョ!
   俺は今虫の居所が悪いんだ」

  「ほらよ。合鍵だ。
   もう無くすんじゃねぇぞ」
子供「あ、ありがとう」

昼間からガブガブ酒を飲み
娯楽に明け暮れ
それをやるにも
エネルギーも消費していくんだぞ

薄汚い生物だ

例の王国も人間レベルは期待薄か?
ならば、急がねばならぬ
どこかにいるはず本当の苦労者が

永磨「進むしかない。行くのみ」

2023/9/12